frantic87's diary

書きたいときに、書きたいから書く

伊藤元重著『流通は進化する』読了。

 

『生命の跳躍』も章ごとにチマチマ読み進めているが、気分転換に手に取ったこっちを先に読み終わった。とても読みやすかった。一般向けに書かれた本であり、テーマが身近、文章が平易だったということもある。が、やはり翻訳でなく、日本人の思考で編まれた日本語の文章は読みやすいと感じた。自然に文章が頭の中に入ってくる。

 

 

 その経営者は、私に「自分のところのコンビニに来るお客さんは、店に入ってからあれこれモノを選んでレジを済ませるまでに、平均どれぐらいいるかわかりますか」と尋ねたのだ。私はそれに答えられなかったので、「どれくらいですか?」ときいたところ、「四分三十七秒です」と言うのだ。最近はもっと短いという説もある。四分三十七秒で少し欲張りにモノを買おうと思えば、おにぎりとウーロン茶を買い、雑誌を一冊買って、さらに乾電池を買うことはじゅうぶん可能だと思う。

 いま挙げた四品目を、たとえば商店街とか、あるいは百貨店とかスーパーで、四分三十七秒で買えるかというと、おそらく不可能であろう。誰でも難なく四品目を四分三十七秒で買わせるところに、コンビニエンスストアの強みがある。つまり、コンビニエンスストアというのは、コンビニエンスという言葉からもわかるように、消費者に時間的な便利さを売っているのだ。

伊藤元重『流通は進化する』中公新書、2005

 

なるほど!と思った。

食料品から雑貨、ATM、公共料金の支払い、宅急便…。一つの店舗で複数の用事を一度に済ませられる。コンビニの利便性ってこういうことか。言われてみれば当たり前なんだが、意識していなかった。

時間が大事って前の記事でも書いた。

 

他にも面白い事例がいくつもあって、流通業ってシステマティックにできてるんだなと思いました(月並みな感想)。