レポート
レポートを書く作業は家を建てることに例えることができる。
考える作業というのは事前に済ませてあって、つまり設計図ができあがってから実際の工程に着手する。工事が始まってからの変更というのは利かなくて、せいぜいペンキの色をどうするかとか細かい仕上げに類することだけだ。
出来上がる設計図はひとつでも、そこには幾通りもの思考の結果が現れている。
レポートを考える作業というのが設計図作りに相当する。考える作業が終われば、レポートを書くことは単なる作業だ。コンテンツそのものよりも、いかに受け手に伝わりやすいようにするか、レイアウト、文章の推敲などに集中する。
また、レポートに書いてあることが考えたこと全てではない。考えたけれど、書かれなかったこともある。むしろ後者の方が何倍、何十倍もあるだろう。出来上がった家を見て、その設計図を思い浮かべるような想像力が要求されるだろう。