何について考えるか
問いを立てることは、問いに答えることよりも価値がある。
彼は、これがメッセージだと言った。
それがわかった、と言った。
何が、どうわかったのか、その説明はない。
どんなメッセージなのかもわからない、という。
普通に聞けば理不尽な話であるが、犀川に限っては、むしろ通常のパターンといって良い。彼の言葉で表現すれば、それが「道筋」なのだ。その道の先に何があるのかは、わからないが、とにかくそこを進めば良い、という意味らしい。「あとは計算したり、調べたりするだけだ。わかったも同然だよ」と彼は言う。
森博嗣『四季 秋』p123-124より引用
何が大変かって、何もないところに問いを立てること。問いを立てるには、複数の視点を持たなければ上手くいかない。質問をするってのは高級なのだな。
森博嗣を熱心に読んでいたのは、5年以上も前だけど最近になって、何を書いていたのかわかってきました。『臨機応答・変問自在』もまた読みたい。